エコデザインのヤダです。イオン交換水にオゾンガスをバブリング(ガスを吹き込む)をし続けることで超高濃度オゾン水ができないか実験してみました。目標は100ppm(100mg/L)以上です。
目次
実験の背景
オゾン水を生成する方法の一つとしてバブリング法があります。
バブリング法
オゾンを液中に溶解させるための気泡溶解法の1種で、溶解槽の下部よりバブラー等を通じてオゾンガスを液中に気泡として吹きだし、液中にオゾンガスを溶解させます。
出典:エコデザイン株式会社 「オゾンの基礎知識」
高濃度のオゾンガスを使い、バブリング時間を長くすれば、理論上はとても高濃度のオゾン水を得ることができます。
超高濃度のオゾン水は、オゾンの色で着色されてきれいな“オゾンブルー”になると言われています。しかし、日頃それを見る機会はなかなかありません。
そこで、実際に連続でバブリングをしてみて、簡素な試験系統でもどのくらい超高濃度のオゾン水を作ることができるのかを検証することにしました。
実験方法
オゾン発生器からバブラーを通してオゾンガスをサンプルとなる水にバブリングし、余剰オゾンガスを分解します。また、濃度測定用の系統を準備しておき、必要なタイミングでオゾン水濃度計にサンプルを通せるようにしてあります。
試験系統図
試験手順
使用装置
- オゾン発生器…LOG-LC15G
オゾンガス濃度:最大200g/m3(N)以上(酸素ガス流量200mL/min時)、メーカー:エコデザイン株式会社
※今回は流量500mL/minにて使用 - 原料水
イオン交換水 - 酸素ボンベ
普通純度 >99.5% - オゾン水濃度計…EL-550
メーカー:荏原実業株式会社 - チラー…CA-1112
水温設定10℃、メーカー:東京理化器械株式会社(アイラ)
実験結果
バブリングにより、99ppmの超高濃度オゾン水を得ることができました。
また、バブリング試験によって生成された超高濃度オゾン水は、きれいな“オゾンブルー”を示していることが確認できました。
追加試験
実は模擬試験では140ppmを記録していたのですが、今回の本試験では99ppmとなりました。そこで…
しかし、追加で30分吹き込んでみたところ、濃度が80ppmに下がってしまいました…🥺(80ppmでもなかなか高濃度ですが。)
考察
模擬試験と本試験とで、模擬試験の方が条件のバランスがよかったため、濃度に差が出たと考えられます。
オゾン水の濃度は、ガスの圧力、水温、オゾンガス濃度、ガス流量、電源の電圧…等の様々な要因で変わります。
各要因は互いに相関があることが知られています。
水に溶かし込むガスの圧力が上がれば上がるほどガスをたくさん水に押し込んでオゾン水の濃度が高められるのですが、一方でオゾン発生器のガス圧力が上がるとオゾンガスの濃度が下がるということも同時に起きます。こっちをたてればあっちが立たずという関係にあるのです。
そのため、このような試験においては、最適な条件をトライアンドエラーで探していく必要があると結論付けられます。
今回の場合は、より高濃度なオゾン水濃度を生むための条件を、各要因を調整していくことで探すということです。