「彩の国ビジネスアリーナ2023」出展のお知らせ

「つくる責任・つかう責任―「柿渋」―」

皆さんこんにちは!エコデザインのイトウです🐹
建築が進む青山新社屋。
今回はその社屋に使用されている「柿渋」について。
青山新社屋の設計をしてくださった福田建築士にインタビューをしてきました(*´▽`*)

「福田建築士プロフィール」

建築士 福田 義房

「株式会社アーキクラフト

住まいはみなさまの子どもの
その子どもたちにまで伝えていくもの、
安心できる素材を吟味し、
末永くみなさまの暮らしに
貢献することを目指しています。

地域材を使った住まいを中心に
年間数棟の新築住宅とリノベーション
古民家リフォームなどに取り組む

 

福田 義房(ふくだ・よしふさ)
 

1960年12月
埼玉県川越市生まれ

1983年3月
東京工芸大学工学部建築学科卒業

1983年~1990年
伝統的建築施工会社設計課勤

1990年~2000年
建築設計事務所勤務

2000年12月
アーキ,クラフト一級建築士事務所設立

 

「インタビュー」

建物と薬剤

――今回組上げた木材には柿渋を塗っているということですがそれはどういうことなのでしょうか?

福田柿渋を塗るのは防腐・防虫効果を持たせるためだよ。
私は20年ほど前からできるだけ薬剤を使わずに昔からの暮らしの中にある材料を使う設計にしているんだ。だから今回も薬剤を使わずに柿渋を選択したんだよ。


――なるほど、秋の味覚の柿は、私たち人間の暮らしの中にも存在していたんですね。
そもそも防腐防虫のための薬剤塗布は建物を建てるには必要なのでしょうか?

福田一般的には建物の保証等もあり、地面から1m以内の部分には防腐・防蟻処理を行わなければいけないことになっているんだ。だから今回も柿渋を塗布するのだけど、私の設計では通気をとって常時乾燥した状態にすることによって本来は薬剤を使わないで済む形にしているんだよ。

福田建築士
福田建築士

建物には防腐・防虫のために薬剤を使うことが一般的。
エコデザイン社屋には昔ながらの自然素材「柿渋」を使用したよ!

 

素材選びと設計

――それは驚きです!当たり前のように認識されてる薬剤塗布も福田さんみたいに工夫をすることでしなくても済むような設計にできるとは!(゜-゜)福田さんはどんな風にしてそうした設計に取り組むようになったのですか?

福田一番は純粋に昔からの自然素材が好きだったというのが理由だね。
それに古いお寺や神社を見てみるとね、周りの湿度が高くてもシロアリなどの被害にあっていない建物が多かったんだ。それは通気性がしっかりと保たれているから。さらに素材を調べてみると国産の「スギ」・「ヒノキ」・「青森ヒバ」にはシロアリの嫌う成分が含まれているんだよね。そうした経験から今の設計に活かすようになったんだよ。


――今回の社屋では地元材をメインで使うとは聞いていましたが、素材選びにそんな意味があったんですね(・o・)

福田シロアリの嫌う成分も材木の乾燥方法で残留量が変わるんだけど「低温乾燥」の方法をとることで効果を発揮できるようにしているんだよ。

福田建築士
福田建築士

寺社を参考に通気性を確保しながら、シロアリ対策になる素材を選定したよ!

 

つかう人の健康

――なるほどー!(*’▽’)👏 近年は新築の建物で「シックハウス症候群」になってしまう・・なんて悲しい話も聞いたことがありますがそういう問題に対する想いもこもっていたりするんでしょうか?

福田そうだね。今の世の中って原因がわからない不調を抱え続ける人や、会社へ行くとなんとなく鼻がムズムズ苦しくなるとかいう人も少なくないよね。そういう不調の原因となるリスクを少しでも減らしたいという想いも込めたよ。

福田建築士
福田建築士

そこで過ごす人たちの健康への想いもこめた建築にしているよ!

ちなみに建材の一部に使用する合板は低ホルムアルデヒド仕様のものも使っているよ。

シックハウス症候群とは

近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。

厚生労働省 シックハウス対策のページより引用

――住む人や滞在する人の健康を大切にしたいという福田さんの想いがこもった設計なんですね。素敵です(´▽`)

福田:新しいものは後々になって危険だったと判明することもあるし、今安全だと思われていても将来はどうなるかわからない。それに比べると昔からの慣れ親しんだ素材はデメリットもあるけれどそれに対する対処法も見えたりするのも良い点だね。

ただね、今まで話した理由からこうした設計をしているけれど、新しい素材にはそのものの良さもあるし、「古いものが良い」とか「新しいものが良い」ではなく目的や想いに応じて使う意味を考えて使用することは大切だということは覚えておいてね。

――はい!ありがとうございました!

 

「つくる責任・つかう責任」

新社屋建築に使用された「柿渋」に込められた福田建築士の想い、いかがでしたでしょうか?

私たちの身の周りには便利な化学物質もたくさんありますが、時にそれが自然環境や健康に悪影響を与えてしまうこともあります。

これからは、便利なものは取り入れながらも自分たちが使用するものが自然や生きものにどんな影響を及ぼしうるのかということも意識していくことができたらよりよい社会へ繋がる糸口になるかもしれませんね。

最近では「つくる責任・つかう責任」という言葉もメジャーになってきているように、私たちも自分たちが「つくるもの」「つかうもの」、その使用の背景や将来に対する意識も大切にしていきたいと思います。

イトウ

現場で使用された柿渋。
今回使用するということで私もどんなものなのか確認させてもらったのですが、樹液のような・発酵のような不思議な香りがしました('ω')環境や健康を意識した「柿渋」、ホームセンターなどにも販売しているようなので、皆さんも機会があれば使ってみてはいかがでしょうか。(❁´◡`❁)

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