皆さんこんにちは! JNKテクニカルサポートの岡本です。
今回は、有限会社松本電工の松本典さんのインタビューをお届けします!
「幅広い経験と技術で会社を変革」してきた松本典さん。その対応力の源に迫ります。
(インタビュー日:2020年3月25日)
目次
松本典さんのご紹介
松本 典(まつもと・つかさ):埼玉県小川町出身。東京電機大学知能機械工学科 卒業後、プラスチック容器などの製造メーカーに就職。3年ほど勤めた後、以前から興味のあった制御盤の製造工場に再就職。3年ほど勤めたころ、母親が入院したことがきっかけとなり退職。家業を支えるため松本電工に入社。「これまでやってきたことを原動力に変えて、次の時代に合わせて進化する」との考えから、新たな分野へ幅を広げていく方針に舵を取り変革を進めている。
松本電工さん 会社紹介
有限会社松本電工(まつもとでんこう):戦後、電気工事会社に勤めていた祖父が独立し埼玉県小川町にて創業。現社長は2代目の松本亘氏で、お話を伺った松本典さんの父親。以前は工場・一般住宅・店舗・公共施設などの電気設備工事を行ってきたが、それに加えて小規模制御盤製作など、今までやってこなかった仕事にも挑戦。仕事の幅を広げていくために日々模索している。
エコデザインとの協力関係
エコデザインは研究者である現会長が立ち上げた会社で、当初は研究者向けにオゾン発生器を販売していました。
それだけに、科学的な知識や開発面の経験は豊富にあっても、現場で工事をするとか具体的なところが弱いので、一般企業向けの販売に踏み込んだ際に「お客さんの業界に詳しくない」ということと「工事ができない」という2つのハードルがありました。
それを補ってくれたのが松本電工さんです。
松本電工さんは、電気関係のみならず、建設・建築関係の現場業務には一通り明るい上に、ソフト面も強いし図面も描ける。
オゾン発生器を納品する際には、どうしても電気工事と配管工事が必要になるのですが、松本電工さんに相談すると具体的な案にしてくれて、実際に工事をして形にしてくれます。
エコデザインが全幅の信頼を寄せている電気工事会社、松本電工さんにお話を伺いました。
インタビュー
Q. 松本電工さんは手広くされていますが主な業務は何ですか?
うちの主な業務は電気設備の仕事です。一般住宅、工場、店舗、公共設備の電気設備工事です。低圧の電気設備と高圧の電気設備ですね。
Q. 低圧と高圧だとどちらの依頼が多いですか?
工場でもほとんど低圧が使われているので、割合としては低圧の電気工事が多いのですが、高圧受電のところの工事や新設工事とかもやっています。あと最近はエコデザインさんでやっているような制御盤ですね。
Q. 制御盤は少しジャンルが違うかな? と思いますが、どこで学ばれたのですか?
制御盤メーカーです。就職したメーカーでは、いろいろな制御盤があり興味が湧きました。
Q. なるほど。仕事が学びの場でもあったわけですね。現場での工事もそこで経験を積まれたのですか?
現場は家業に戻ってからですね。家業に入ってからの現場は初めは社長や従業員に教わりながらやっていました。講習に参加したことも勉強になりました。
制御盤製作は、どちらかというと職人の世界で、設計図通りのものを正確に作っていくという感じです。
Q. そこで基本を身につけて家業に戻られたわけですね。
そうですね。
戻ってきてからは社長として父親がいるので、父親がいてくれてる間は勉強のつもりで、吸収できるものは吸収したり、資格も取らないとと思っています。
幅広い経験と技術で時代に対応していく
「祖父が昭和23年に創業しました。『当時は日本経済が登り坂で、町内外の機械工場、木工場、製紙工場などが盛んで、それらの電気設備工事が忙しかった』と聞いています。父がそれを引き継いで地盤を作ってくれました。
これからは、その地盤を元に、これまでやってこなかった仕事もやって幅を広げていきたい。今は模索をしている様な感じです」と語る、3代目の典さん。
Q. 模索している中で手応えはどうですか?
時が流れ、経済の様態変化が目に見えている今、会社の内容も変革を行わなければと思っています。
そこで、エコデザインさんの仕事は独自のノウハウが必要となりますし、エコデザインさんと歩めば、うちとしての強みが持てるようになるのではないかと考えています。
Q. 工場関係になると一般住宅とは違った技能が必要になるのでは? また、気の持ちようは?
そうですね。工場は機械、照明設備、制御系など、一般住宅と内容は変わってきます。配線も太くなるので必要な人数も多くなります。どちらにしても共通項はあたりまえのことですが「汚くしないように」とか「傷をつけないように」とか気を付けなくてはいけません。
いろんなオファーをもらえるようにホームページも作ったので、今はいろんな工事をやってみたいなと思ってます。
町内の公共工事にも応えられるようにしなければいけない
「超個人的な自分の夢とか目標ってあったりしますか?」と伺うと、想定外の質問だったからか一瞬動きが止まり、そのあと暫く思案されていました。
「うーん。」と悩みながらも真剣に答えようとしている姿は、典さんの人柄や仕事に対する姿勢の本質のように思います。
漠然としているんですけど、エコデザインさんと協力して社会を支える新しいものにチャレンジしてみたいです。
また忘れてはならないのは公共のオファー、一般家庭のオファーにちゃんと応えられる会社でなければということです。
エコデザインさんの製品の進展に対応するため、研鑽を続けたいです。
仕事を楽しむことが会社の原動力
「仕事の中でこれだけは負けないぜ! というのはありますか?」と伺うと、広く浅くなので…と話を切り出しました。
確信はありません。機械や板金の設計とかもしますし、制御盤も作ったりしているので。熟練の職人たちの仕事から学ばせていただいたりして、日々勉強しながらやっているような感じです。
Q. 持っている技術の組み合わせで「これができるのはうちしかないぞ!」という感じですか?
というよりは、自分がやっていてそのほうが楽しいんですよね。一つのこと、例えば工場に勤めて同じことをやるみたいなことができないタイプなんです。いろんなことを体験したいというか、そういうやり方のほうが好きで楽しいのでこういうスタイルになっている感じです。性格がそうなのかもしれないですね。
今回取材させていただいた現場・東武商事さんについて
埼玉県松伏町の東武商事株式会社さん(とうぶしょうじ)にて、オゾン発生器の取付工事を取材させていただきました。
東武商事さんは産業廃棄物処理業者で、臭気対策に大変熱意を持って取り組まれています。
エコデザインのオゾン発生器を松伏工場、柳町工場、那須環境センター、那須総合リサイクルセンターの4ヶ所にてご使用いただいており、現場の状況に合わせ、スクラバーとの併用や、ミストとの併用などにより現場の臭気を軽減させています。
施工会社はもちろん松本電工さんです。
配電盤から600V-CVTケーブルを配線し、分電盤を設置してオゾン発生器まで電力をつなぎます。
そしてスクラバーに吸入口の取り付けとオゾン発生器からスクラバーまでの配管を新設しました。
今回の工事では、2013年に納品したオゾン発生器2台と、今回納品させていただくオゾン発生器1台の計3台を、7台のスクラバーに接続します。
スクラバーは、下から臭気を送り込み、水などで臭気を洗浄する装置です。1台ン千万円する装置とのことですが、少しオゾンを混ぜることで脱臭効果が大幅にアップするのだそうです。
納品したオゾン発生器はエコデザインのファボゾンシリーズ・FOG-RC40G(今回の使用方法では30g/hのオゾンを発生させるモデル)です。2013年に納品された2台は、それぞれ20g/hのオゾンを発生させるモデルでした。
今回の工事では、3台で計70g/hのオゾンを10g/hづつに分配し、7台のスクラバーに供給しました。
これだけは伝えたいメッセージ
Q. 今回のインタビューにあたって「これだけはどうしても伝えたい!」と思っていることはありますか?
これから社会が刻々と変化していく中で研鑽を積み、技術とサービスの幅を広げ、電気という社会インフラを支えるパワーの一員として微力ながらかかわっていき、いろいろな人に信頼してもらえるよう協力関係を築いていきたいです。
インタビュアーのひとこと
今回は施工中と施工後の2回、現場を取材させていただきました。
これまで清掃・ペンキ・シャッター修理など、多くの職人の現場をみてきましたが、その中でもプロフェッショナルな仕事をされている方の共通点には「道具類が整然していて無駄がない」ことと「道具の一つ一つがメンテナンスされている」ことの2点がありました。
本記事中にもブルーシートの上に置かれた敷材の写真を掲載しましたが、松本電工さんの現場はとても整然としていて、作業にも無駄が感じられませんでした。
使用されている道具も一つ一つじっくりと見させていただきましたが、使い込まれているけれどしっかりメンテナンスされています。
ありがとうございました!
松本電工さん 会社概要
社名 | 有限会社松本電工 |
所在地 | 〒355-0328 埼玉県比企郡小川町大塚234 |
代表 | 松本 亘 |
事業内容 |
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(※この記事は、筆者・岡本のブログ記事を「エコデザインの素」向けに再編集したものです。)
(2021年4月14日:記事にタグを追加しました。)
(2020年6月23日:松本電工さんから加筆修正依頼があったため、該当箇所をリライトしました。また、記事タイトルを変更しました。)