【自由研究】アシナガバチをオゾンで退散させられるか実験してみた

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蜂の写真画像注意
この記事には蜂の成虫と幼虫、蜂の巣の写真を含みます。

エコデザインのヤダです。

現在寒冷の候…完全に季節外れですが、昨年の夏の報告です。

アシナガバチさんがログインしました

営巣中

2020年の夏、7月中頃、いまだ梅雨の只中。
それは屋外トイレの裏、オープン型の物置の中にありました。

ヤダ

蜂の巣だ。アシナガバチっぽいな。危ないから早めに巣を駆除するか。

 

ともあれ、まずは会社に報告します。

ヤダ

アシナガバチの巣ができてました。駆除方法どうしましょうか。
殺虫剤あったっけ。

長倉広弥

ヤダ

蜂用のやつはなかったと思います。でもパーツクリーナーならあります!

パーツクリーナー案

ご存知パーツクリーナー。

金属パーツの油汚れを洗浄するスプレーです。

ホームセンターとかでよく売ってますよね。

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ヤダ

モノタロウさんの「ブレーキ&パーツクリーナー魂 2000」もおすすめです。SDS(化学物質等安全データシート)に細かく組成情報が掲載されています。

 

パーツクリーナーには毒性のあるヘキサンが含まれています。

さらにこれは引火性。火をつければ燃えます。殺虫剤になりそうです。

 

ヤダ

パーツクリーナーかけて火をつけていいですか?
却下。危ないからやめてください。

長倉広弥

アシナガバチに襲われるのは子供の頃のトラウマなので殺虫剤で瞬殺してください。火あぶりは倫理的にも虐待でアレですし。

タムラ

多数決により否決されました。

まぁ燃やすのは危ないですよね。

それに、社屋に蜂の巣を作らないでほしいとはいえ、炎で蜂の虐待をしたいわけではありませんし。しかも、燃やさなくてもパーツクリーナーの射程は1mくらいと距離的にも危ないです。

却下されたので、普通に蜂用の殺虫剤を買ってくることにしました。

 

ところが…。

 

アシナガバチ VS オゾン

オゾンでアシナガバチが追い払えないか試したいんだよね。
(おもむろにオゾン発生器を使う準備を始める)

鈴木

!?

え、オゾンでやるの…?

 

 

オゾンでゴキブリや他の虫の害虫忌避の話はあったけど、蜂にオゾンが効くかどうかはこれまで分からなかったでしょ。需要があるかもしれないし、確かめておきたいからね。

鈴木

オゾンは害虫忌避に有効です。蜂にも効いたら駆除の新たな手段として使えるかもしれません…

 

買ってきてしまった一般の殺虫剤が既にここにありますが…
まぁオゾンの会社ですもんね。

もし蜂をオゾンで逃がせたら、殺虫剤や焼却のように蜂を殺さずに済むでしょ。オゾンによるゴキブリ忌避も、逃がしているだけで殺していないしね。

鈴木

ヤダ

オゾンを使った自由研究みたいなもんか。
殺さずに追い払えるなら良い方法かもしれないね。

長倉正昭

オゾンでアシナガバチを退散させてみた

ということで、オゾンでアシナガバチが退散するか研究が始まりました。

 

オゾンでアシナガバチ(キアシナガバチ)に退散してもらえるかの試験は、次の流れで行いました。

  1. ただの空気を送風してみる(比較試験)
  2. 15分間だけオゾンガスをかける(短時間試験)
  3. アシナガバチがいなくなるまでオゾンガスをかけ続ける(連続試験)

 

使用したオゾン発生器は、当社製のED-OG-AP1です。周辺空気からオゾンガスを発生でき、ファンではなく配管で特定の場所に集中してオゾンを送ることができるタイプの機種です。タイマー式なのでこのような試験に使えます。

試験のイメージ
ED-OG-AP1はこんなオゾン発生器です
試験中の装置の様子

 

①ただの空気を送風してみる(比較試験)

この装置、チューブからオゾンを吹き出すのですが、そもそもオゾンを使わずにただの空気をあてるだけで蜂がいなくなったとしたら? それで終われば一番簡単です。

念のため、まずはオゾンを含まないただの空気の風をアシナガバチの巣にぶつけてみました。

特に嫌がる様子もないね。

鈴木

試験結果:何も起こりませんでした。

 

蜂さんは元気です

 

②15分間だけオゾンガスをかける(短時間試験)

次に、短い時間だけオゾンをアシナガバチの巣にかけてみました。

検知管を使ってオゾン濃度を測っている様子です

今回は15分間、オゾンガス濃度は30ppmでした。

 

巣から離れる蜂もいるけど、すぐ戻ってきちゃうね。

鈴木

ヤダ

みんな戻ってきますね。

試験結果:一部のアシナガバチは一旦巣から離れましたが、その全数が巣に戻ってきました。

 

蜂が戻ってきてしまいました

常に巣にとどまり、離れることのない個体もいました。

巣から離れた個体も、オゾン発生器を止めてから15分以内に全数が戻ってきました。

短時間のオゾンガス噴射だけでは、アシナガバチの退散には至らないようです。

 

③アシナガバチがいなくなるまでオゾンガスをかけ続ける(連続試験)

最後に、アシナガバチが巣から全数いなくなるまでオゾンガスをかけ続けてみました。

意外と長い時間巣から離れようとしないな。

鈴木

噴射開始から1時間30分経過後も、まだ常に巣にとどまって離れることのない個体がいました。

3時間経過後にようやく巣に残る個体がいなくなったので、オゾン発生器を停止しました。

 

その後は経過観察を行いました。

  • 1日目:オゾン噴射試験
  • 2日目:アシナガバチは5匹ほど戻ってきて、巣の点検をするような行動をとっていた
  • 3日目:アシナガバチは1~2匹巣に付着していた
  • 4日目:アシナガバチは1匹だけ巣に付着していた
  • 6日目:アシナガバチは2匹巣に付着していた。キイロスズメバチが巣に飛来していた。アシナガバチ幼虫の捕食目的か?
  • 7日目:蜂はいなくなった
蜂は消え、巣だけがそこに残された
死骸もありました

ということで、長時間かければオゾンガスでアシナガバチが退散する可能性があるかもしれないという結論になりました。

 

試験結果:噴射後、7日目にはアシナガバチもキイロスズメバチもいなくなっていました。

蜂がいなくなったので、巣を駆除しようか。

鈴木

 

実験してみたはいいけれど

はい、これでオゾン発生器メーカーっぽい自由研究ができましたね。

 

でもこれって…

ヤダ

普通に蜂用の殺虫剤を使ったほうが安いし、安全ですよね。

 

時間もかかるし、自然との共存という意味でも100%の正解ではないかもしれないです。

皆さんは決して真似しないで、蜂用の殺虫剤を使うか、蜂駆除専門の業者さんに依頼するようにしてください😫

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ヤダ

くれぐれも安全にはお気を付けください。

 

報告書PDF

作業報告を論文風のPDFにまとめてみました。

ヤダ

自由研究みが一層増しましたね。良き。

ヤダ

ちなみに、サムネイルのイラストはアシナガバチの的確な素材を用意できず、スズメバチとなっています。ご了承ください。

 

(2021年2月22日:旧知の蜂の専門家の方から戴いたご指摘に基づき、一部記述を加筆修正し、記事タイトルを修正しました。ご指摘ありがとうございました!)